『 自分が自分自身になる』  離散の民の牧会者 佐藤彰師

Shin1

◆福島原発の避難指示により離散し、奥多摩福音の家に50名ほどの神の家族と移られた佐藤彰牧師は、地震発生以降の心境を語っている。

◆「決して偶然ではなく、私たちは被災すべくして被災した。私は、この時のために牧師になったと思うようになりました。」「今は、毎日24時間が牧会、起床して礼拝、その後は子どもの勉強を見たり、みんなで温泉へ行ってリフレッシュしたり...和気あいあいとした、まるで初代教会のような雰囲気、ゲラゲラではないけれどほのぼのと笑って、明るく楽しく過ごしています。」

◆「もちろん私の予定も、すべてが瞬時に白紙状態となりました。けれども気がつくと今は毎日が神様の不思議スケジュールで動いています。地上のものが薄らぐと、神様の世界が浮かび上がってくるのでしょうか。せっかく大きな流れの中に身をゆだねるよう導かれたのですから、じたばたせずに私たちは、引き出されたものらしく、神様がコーディネートされた別世界を、楽しむことといたしましょう。」

◆「離散の旅を共にしている未信者の方3名が涙とともに、信仰告白をしました。又、ブログを見て信仰をもった方もいます。私にしかできないことを、やるだけやろうと決めました。50人の信徒を守り、一つ状況を発信していく、せっかく被災したのだから。そして、絶対に教会を復活させます。」と語られる佐藤牧師から、キルケゴールの次の言葉を思い出しました。

◆「キリスト教的な英雄的精神とは、ほんとうに自分自身であろうとあえてすることだ。」(『死に至る病』序文)。

過去の記事