〜遠野の風だより〜 No.30

ありこ

遠野市では「遠野物語ファンタジー」という演劇が毎年あります。
柳田国男著の「遠野物語」から、毎年違う演目です。
この演劇は、出演者はもちろん、脚本や演出、生演奏の楽団、混声合唱団、
裏方の大道具、衣装、床山、照明などなど、様々な役割を総勢300人以上の
遠野市民で作り上げます。
年齢は幼稚園の子供から、70歳代の大人まで。
職業も様々で主婦や学生もたくさん参加されています。
しかし、素人集団とあなどれない、しっかりとした構成で、2幕15場面の
笑いあり、涙ありの2時間です。

昨年、初めて観た時は感動しましたが、残念なことに東北弁がわからず、
会場の笑いについて行けませんでした。
台本を販売していますが、それを読んでも、単語の意味がわかりません。
遠野物語の原作を読んでいて、あらすじはわかるんですが・・・

ところが、先日の観劇では、ずいぶん台詞を聞き取ることができました。
笑いも会衆と同じタイミングで、皆と一体感をもって観ることが出来て嬉しかったです。

東北弁といっても、岩手県の中だけでもたくさんの方言があり、
その中の大槌町という本当に小さな町にも、地域ごとに方言があるようです。
世界から見たら小さな島国の日本が、同じ日本人なのに、言葉が通じないことがある。
いったい日本にはどれだけの言葉(方言)があるんでしょうか?

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