〜遠野の風だより〜 No.32

ありこ

東日本大震災から二回目の3.11を迎えました。
大槌町では10日に一般の献花場を設け、11日は遺族だけの追悼式がありました。
両日はその前日よりも気温が下がり、雪がちらつきました。
「あの日も雪が降ったね」と二年前を思い返す方がいます。

記念日反応(大きな出来事から1ヶ月、1年と節目のときに感情が激しく揺れてしまう)
が懸念されました。
昨年は抑うつ的な気分になる方、引きこもりになる方がありましたが、
今年はお茶会でみる限り、昨年よりお元気そうに見えました。
が、「肩もんで」と言ってくる方があり、「私は手がしびれる」
「私は足がだるい」など不調を訴える方が多くありました。
いままでも「手もみ」はしていましたが、症状を言ってくることは初めてでびっくりしました。
本人も気づかない不安などの思いがあるのでしょうか。
これも記念日反応の一つなのかもしれません。

夫と2回目の3.11を線路も駅舎も流された大槌駅で、2時46分のサイレンに合わせて
黙祷をささげました。
家が流されて土台だけになった所に、お花やお供え物があちこちで見られます。
家族や親戚、友人、知人を亡くした方たちの悲しみあふれる町です。
大槌町の江岸寺の住職は、父親と息子さんがまだ見つからないなか、
「わすれないで、というのは被災していない人に言う言葉。(被災した)私たちは
わすれましょう。でないと思い出せないから」と言われます。
これを聞いた後ことばが見つかりません。悲しすぎます。

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