〜オリーブの香り〜 No70 『キリストの香り』

ゆっこ

・時々、私たちの教会の礼拝や平日の集会に渡辺美枝子さん(故渡辺暢雄先生のご夫人)
 が出席して下さいます。
 先日は平日の集会にご長女のIさんと一緒に出席されました。
 日曜日の礼拝はともかく、平日の集会では私はちょっと気を抜いて気軽な服装です。

・美枝子さんは違います。
 きちんとスーツを着て、ハイヒールを履いて、バッグを持って入って来られました。
 そのお顔はニコニコ顔です。
 80歳を越えて、お若い時よりひとまわり小柄になられたようですが、
 そのお姿は、私を凛とさせる空気がただよいます。 
 まさにキリストの香りを放たれるお方です。

・その日私は美枝子さんと同じグループで、お話を伺うチャンスがありました。
 美枝子さんが幼稚園の先生をしていらした時のお話をして下さいました。
  『ある日ね、平均台をすることになったのね。
   そしたら、少し身体の不自由な女の子がいたの。
   その女の子は平均台が出来ないと泣き出したのね。
   そしたら、いつもやんちゃな男の子が進み出て、その女の子の肩を支えて
   平均台を歩くのを手伝ったのよ。
   私、その時涙が出てしまったの。
   そしたら、そのやんちゃな男の子が後で私のところに来て
   「先生!さっき泣きよったろ! 先生に僕のヒミツ教えてあげる。
    僕のお父さんとお母さんは耳が聞こえないんだ」と言って走り去ったの。』

・ やさしい笑顔で話は終わりました。 
  誰も何も言いませんでした。
  ただ、みんなホッコリとした気持ちになりました。
  もっと聞いていたい気持ちでした。

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