〜オリーブの香り〜 No118 「塩狩峠」

Shin1

今年の春、大学を卒業して出版関係の会社に勤めだした息子から、読み終わったから母さん読んでみなよ、と一冊の本を手渡された。

三浦綾子さんの「塩狩峠」
20代の頃、読んだことがある本だ。
タイトルページをめくると・・・

一粒の麦
地に落ちて死なずば
唯一つにて在らん
もし死なば
多くの実を結ぶべし
   (新約聖書 ヨハネ伝12章24節)

このみことばですら、ここに記してあることさえ、すっかり記憶から遠ざかっていた。
読み終わった息子に、感想を言って貰った。

つまり・・・殉教といいうことでしょ?主人公はキリストでしょ?

普段、教会に見向きもしない息子が、私が若い頃に読んでいたことを知らずに、母さんいいよ、この本、と薦めてくれた息子の口から出た言葉が嬉しかった。
あらためて読み進めていくと、若い頃に感じていたものとは、全然違う感受性をストーリーの中に見つけていける。

登場する主人公も、キリスト信仰する母に対して素直に身を預けることが出来ないで生きてきた。
私の息子と重なる・・・
しかし、息子はこの本を私にプレゼントしてくれた。
私には焦らずに、途方に暮れるかも知れないプランが用意されているのかもしれない。

あらためて、大切な一冊として書棚にしまっておこう・・・。

by MxM

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