〜オリーブの香り〜No167 『平和への想い』

Shin1

長崎に住んでいた頃、8月は特別な月でした。原爆投下時刻の11時2分にはサイレンとともに全ての公共機関の乗り物がストップし、道行く人もともに黙祷をささげます。夏休み中にもかかわらずその日は登校日となり、子ども達は自分たちの作った灯篭を平和公園に飾り、式典に参加し黙祷をささげ、ともに灯篭を流します。長崎にとり原爆体験の痛みと平和への願いは人事ではなく目を背けてはいけない切実な想いなのです。私自身も被爆体験者の話を聞き、戦争・原爆への思いに触れたとき、戦争が如何に悲惨なものかを、そしてこのようなことを2度と繰り返してはいけないという思いを強くもたされたものでした。

私たちが当たり前のように感じている穏やかな日常が、今この日本においても脅かされる事態になっているのではないかということを感じます。難しいことは分からなくても、漠然とした不安が募ります。子どもをもつ身となり、その脅威は自分がつないでいく命が傷を負うことがないようにと祈る想いをもたされます。そんな平和を祈る想いの中で、小学生の子どもが述べた平和宣言が心に残りました。

「(中略)平和とは、安心して生活できること。
平和とは、一人一人が輝いていること。
平和とは、みんなが幸せを感じること。

平和は、わたしたちが自らつくりだすものです。
そのために、
友達や家族など、身近にいる人に感謝の気持ちを伝えます。
多くの人と話し合う中で、いろいろな考えがあることを学びます。
スポーツや音楽など、自分の得意なことを通して世界の人々と交流します。

方法は違っていてもいいのです。
大切なのは、わたしたち一人一人の行動なのです。
さあ、一緒に平和をつくりましょう。
大切なバトンをつなぐために。」       (「子どもの平和への誓い」より)

人間の誤った判断が平和の道を閉ざし、争いを生み出しませんように。私たち一人一人が平和を愛し、平和を作り、そのために祈り続けていくことができますように。そして、何より神様の愛と願われる平和がこの地に満ちますように。

by YS

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