〜オリーブの香り〜No172 『聴力』

Shin1

ハレルヤ!

「この女にマリヤという妹がいたが、主の足もとにすわって、御言に聞き入っていた。」
ルカによる福音書 10:39

先日、見舞い時間を大幅に超えて、聖路加病院に訪ねることになり、ひっそり静まり返った消灯した病院の廊下を歩いていると、どこからともなく、楽器のチューニング音が聞こえてきました。
夜遅い時間に、まさかクラシカルな生音が聞こえるなんて、聞き違いかなぁと最初は感じたのですが、バイオリンもクラリネットも、ホルンの音もやはりクリアに耳に届きます。
音が鳴る方へ向かうと、トイスラーホールと言う部屋で、オーケストラ楽団員の方々が各々の楽器を手にコンサートのための練習をしているらしく、優しい音色を放っています。
10年ほど前、病院長である日野原先生にお会いする機会に恵まれ、その時に話された内容に、人間の持っている肉体の力で最後まで働くのは聴力なんですよ、だから、患者さんが天国に向かう息を引き取る前に好きな音楽を聴かせてあげたいんですと...
聖路加病院の中にオーケストラ楽団が結成されたのは、それから数年後のことだったんですね。
あの夜に聞いた楽器の音色は、100歳を超えられた日野原先生の夢の実現の音だったんですね。
あらぁ?確か石田先生も、同じような夢を呟いていらしたような(笑)

音楽を聴く
人の話を聞く
自然の音に耳を傾ける
聖書を読んでもらう
祈りを聞く。

この世の中には、自分が知りたい、気づきたいものがたくさんあって、あらゆる情報の中から都合の付くものと、都合の良いものを受け取って、多くの人達が生きている。
しかし、喋りたい、聞いてもらいたいがせめぎ合って、聞く力を萎えさせてしまう場合もたくさんある。

私は遠い昔に、恐ろしく静かな処で、恐ろしく力強い何かを聞いたように思う。

病院を出る前に、真っ暗に静まり返った聖堂に立ち寄り、沈黙の中に佇んだ。
遠い昔の聴力の記憶が、私の耳を塞いでくれた。

M.M

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