~オリーブの香り~ No 209『いのちは日々生み出すもの』

Shin1

宮城谷昌光さんの名作「孟嘗君」を読み返した。珠玉の言葉の宝庫である。読み返すのは4回目であるが、読み返すたびに出会う言葉が違う。読んだときの自分の状況や精神状態、或いは登場人物に託す願いというものが違うからだろうか。

今回出会ったのは、作品のラストに近いところで孟嘗君が語る言葉。

「人のいのちは、すでにあるものを守ってゆくというものではない。日々つくってゆくものだ。今日つくったいのちも明日はこわれる。それゆえ、いのちは日々生み出すものであろう」

巻末の解説を読んでわかったことがある。この小説は、阪神・淡路大震災をはさんで「神戸新聞」で連載され、大震災の後しばらく連載が中断されて、その後再開されて完結した作品である。エッセイ「孟嘗君の復活」の中で、神戸新聞の連載が終わり、約半月後に出版される『孟嘗君』について、「神戸のかたがたは、どんな思いでごらんになるであろうか。本になれば、わずかな行間になってしまう、そこに万感があるのはわたしもおなじである」と氏は述べておられる。

熊本地震と関わりをもっている今だから、出会った言葉であり、切実に胸に迫ってきたのだろうと思う。

今日の祈り
「神様、新しい朝を感謝します。与えられた今日一日にどんなことがあろうとも、あなたの定められた計画に従って、それが試練であろうと喜びの時であろうと、いのち輝く時であるよう導き、弱く脆い自分を励ましてください」

By とうちゃん

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