~オリーブの香り~ No 212『音楽記号VS絵文字』

Shin1

ハレルヤ!

楽譜を手にした際、その五線譜の中に記されている拍子、テンポ、音符の動きなど明確になっているものと、スタッカート、フェルマータ、クレッシェンドと言ったニュアンスを汲むものと、大きく分けて2種類の表現方法を最初の段階で読み取らなければ、完成度の高い演奏に近づけないことがある。
ピアニシモで始まる音の出だしを、ある人は弱くと感じ、ある人は優しくと受け取る人がいる。

ところで、携帯にメールが送信されると、文字だけの場合と、その言葉に絵文字が付いてる場合では随分と違う解釈になる。
受け手に『おはよう、今日は暑くなりそうだね〜仕事終わったらジムに行って、いい汗流して来ます。』と、メールが来たら、文章だけを読むと、送信者は比較的元気な状態に感じますね。
ところが...
『おはよう😲 今日は暑くなりそうだね〜😩仕事終わったらジムに行って🏋🏿いい汗流して来ます💪💦』
絵文字が挿入されると、一日のスタートから目が回っている感じになり、暑くなりそうだね〜には、うんざりした顔に変わり、汗流して来ますでは、力振り絞って頑張ってるアプローチ。

ひと月前から手渡されたラテン語の楽譜は、『Morning Hymn 』朝の賛美歌。2分程の演奏で短い曲だが、どのように歌うかについての音楽記号のナビゲートが単純にして難しく思えた。ラテン語を和訳すると、味も素っ気もない、新聞の見出し文章のような言葉の繋がり...

更に、このラテン語の上部に小学校の音楽の授業で習う記号が乗っかり、ますます平べったい歌に変化してしまう。
祈りそのものの吐息を表現した曲を、信仰を持たない人達に、どう説明したら伝わるのだろう。

携帯で使用する絵文字のような表現記号はないものか...
私は祈る、主よと...ピアニシモで始まり、内向していた思いを、クレッシェンドで表し、畏れ敬う心をまた、ピアニシモで抑え。結局、自分の祈る息遣いが絵文字のように分かりやすくアウトプットされているかが問われることになった。

by MxM

過去の記事