~オリーブの香り~ No 268『Herb フェンネル編』

Shin1

ハレルヤ!

今年の夏は雨量が多く、私の借りている畑のトマトは、破裂する実ばかりの収穫となり、トマトをサラダの飾りにするより、ソースとして原型を誤魔化した具材として調理することがほとんどでした。

ハーブのほとんどは、育てるのにさほど手はかかりません。甘えのない乾いたヨーロッパの土地は、湿った過保護の日本の土と違い、植物そのものが飢え渇きを覚えると、枯れないように養分を蓄えようとして、芳香が強くなったり、枝葉が太く硬くなる傾向にあるようです。
取り巻く環境が満たされすぎると、何故か芯の弱い、香りも控えめな、そんな育ち方をしてしまいます。
自分もそうでしたが、信仰の力もまた多くを持ちすぎることで、弱められてしまう事と似ていることを感じます。

『律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。薄荷、いのんど、茴香の十分の一は捧げるが、律法の中で最も重要な正義、慈悲、誠実はないがしろにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより十分の一の捧げ物もないがしろにしてはならないが』
(マタイ23:23)

この中に登場する、薄荷はミント、いのんどはディル、茴香はフェンネルというハーブで、私は特にディルを好んでサーモンマリネなどの調理の香り付けに使います。またハーブを知るようになって、ディルの和名がいのんどだと知りました。
フェンネルには、次のようなエピソードがあります。米国のキリスト教徒が、乾燥させたフェンネルの種子を礼拝中に噛んで空腹を紛らわせたことから、「礼拝の種子」と呼ばれているそうです。
神さまに育てられている私たちの実が、時に雨も取り上げて渇きを覚えても尚、主に結ばれる実になりますように...。

by MxM

過去の記事