今週の一面 『傷つかずに成長はしない 2』 1/28

Shin1

◆榎本保郎先生の著書「祈りと瞑想への道」に次のような文章がある。  
私は次のような証しを読んで、自分の信仰の姿勢について深く反省させられた。それは一人の英国の婦人の話しである。彼女の境遇は、大変お気の毒なものであったが、その表情は輝いており、神と共に歩むその香りは、さながら花のようであったという。英国はその女性がいたことで、どれほど恩恵を受けたことであろう。その放つ「芳香はかぐわしく、神聖で、天的であった」と記されている。それほど輝いた生涯にはいる前に、彼女は一つの祈りを捧げたという。それは、「神よ、私に三つの傷を与えたまえ。悔いくずおれる傷と、あわれみを感じさせる傷、そして神を慕い求めてやまない傷を与えたまえ。父よ、それを得るためなら、私は、いかなる条件もつけません。わが願いを聞き届けてください。その"請求書"をあなたの御心通りに書いてお送りください。その額がいかほどのものであれ、それは私にとってふさわしいものです。」という祈りです。  

◆私たちは、いつのまにか熱心に求めても「捨てる」ことをしないあの富める青年と同じ状態になっている危険を思わされた。傷ほど我々の中にある自信やプライドを取り去ってしまうものはない。傷ほど助け手を求める心を与えるものはない。たとえどのような請求書が神からこようとも、その請求書通りに支払う者でありたい。       

石田政美

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