今週の一面 『『人間の弱さ』 3/17

Shin1

◆創世記におけるアブラハム、イサク、ヤコブと受け継がれてきた神様との祝福の契約はヨセフへと続いていきました。そのヨセフの人生はジェットコースターのような人生です。彼の人生は最終的にはサクセスストーリーになるでしょう。しかし、彼が体験したことは彼が主の前に整えられるために必要なものでした。

◆10人の兄を持ち、父ヤコブの愛妻である母ラケルの実子として生まれたヨセフは、父ヤコブから偏った愛情を受けていました。父ヤコブも母リベカから偏愛されていたように、息子ヨセフに対しても異常な愛情を表していたのです。そのことをわかっていたヨセフは兄たちのことを告げ口し、良い子として振舞っていました。兄たちはヨセフを憎み、避けていました。そんな中、ヨセフの見た夢は兄たちにとって許容できるものではありませんでした。またその内容は父ヤコブも認めることができませんでした。ヨセフはこのことが決定打となり、その後の人生を大きく変える出来事へと向かっていくのです。

◆このヨセフの物語は父の偏愛と兄たちの嫉妬によって始められています。振り返るとカインとアベルの間にも嫉妬がありました。イサク、リベカ、ヤコブ、エサウの関係の中にも嫉妬がありました。私たちは嫉妬をよくしてしまいます。自分と他者を比べ、劣等感を感じ、羨ましく思うことがあります。グレゴリウス1世もトマス・アクィナスも7つの罪源の中に「嫉妬」を加えています。この感情は私たちを罪へといざなうものです。私たちは「嫉妬」と向き合う時、どのように向き合うべきなのでしょうか。やはり、神様から愛されている存在であることを日々確認し、感謝していかなくてはならないと思うのです。自分の存在意義を神様の中に見出した時、私たちは他者との比較から解放され、神様の愛の中を生きることができるのです。

坂西恵悟

過去の記事