◆2018年度最終週の終わりに、今週も礼拝を共に献げる恵みを感謝したい。2018年度はこのJOYチャペルが20年目の歩みを始めた年となった。教会の歩みを人間の年齢に例えるとやっと成人式を迎える年となる。20歳前後、青年期真っただ中の時代をJOYチャペルは過ごしているとも言えるのではないだろうか。

◆心理学の古典には青年期とは、「疾風怒濤の時代」であると記されている。不安と動揺に絶えずさらされていることが特徴で、自我の確立に必要な精神的動乱の時代と説明されている。

◆JOYチャペルが青年期を過ごしていく中で大事にしたい言葉がある。それは、ミッションステートメントに書かれている「未完成」という言葉。
「バルトもそう言っています。自分がやっている神学は「断片的」(fragmentar)だ、という主張です。(抜粋)私の神学も断片的で、いつも未完成です。完成しないほうがいい。」加藤常昭
 先日、読んだ本の一節。日本における説教の権威である加藤先生が「未完成です。完成しない方がいい。」と述べていることに感動した。

◆JOYチャペルには「未完成の教会」というビジョンが与えられている。「未完成」性は時として混乱を生む。人の思い・肉の思いでは歯がゆく思う。いっそ完成をさせてしまった方がどれほど楽であるか、迷わずにいられることだろうか。

◆しかし、私たちJOYチャペルは小さな完成を目指すのでなく、未完成であり続けるという道を選び取り続けて行こうとミッションステートメントを掲げている。未完成であるという、一見するとつらい荒野の旅の中にこそ、神様の祝福があるのではないか。その祝福を受け取りながら歩もうと信じつつ歩んでいく。

◆青年期を終えて自我が確立していく時期のJOYチャペルが、神様の大きな恵みを小さな完成に閉じ込めてしまうことなく、神様に信頼して「未完成」で居続けようと祈りつつ進んでいく先に恵みがあると感じている。         

武林 慧

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