◆十戒は第1戒から第4戒が神様に対するもの、第5戒からは人間に対してのもの。ある人は、第5戒はその架け橋的なものであるとしています。子どもにとって親は神の代理人とも言える立場で、親の地位は神聖なものと考えられていたからです。
◆「敬う」という言葉には2つの意味が考えられます。「従順」と「尊敬」です。赤ちゃんは自分で何もできません。親に従順です。成長するにつれ、子どもは自分自身で物事の判断ができるようになっていきます。しかし、いつまでも従順させてしまうと親に依存してしまうでしょう。ですから、「従順」することから「尊敬」するようになっていくことが大切です。両親を敬う者に、神様からの祝福が伴うのです。(20:12)
◆第6戒では、「殺してはならない」と命じられています。原語では、ラーツァフとなっている言葉ですが、これは血の報復を求めるような殺人という意味から、憎しみや悪意といった個人の感情に基づいて加えられる暴力的行為という広い意味まであります。
◆私たちは"神様のかたち"に造られており、人間の生命は尊いものです。神様は一人一人にご計画を立ててくださっています。神様は私たちを高価で尊い存在として愛してくださっています。だからこそ、神様の示す道から外れていく私たちを憐れみ、イエス・キリストをこの地に送ってくださったのです。殺すことは人間の手によって神様のご計画を奪ってしまうことになるのです。
◆私たちは、お互いが神様のかたちに造られていることを覚え、お互いを神様によって赦されている者として愛し合う者でありたいのです。
坂西恵悟