◆神様はイスラエルの民をご自分の「聖なる民」「宝の民」とされました。その祝福に預かることのできたイスラエルの民に対し、神様はさらに約束をしてくださったのです。約束の地に住んでいた諸国の民を主が滅ぼし、イスラエルの民が約束の地へと足を踏みいれることです。

◆けれども、イスラエルの民には"恐れ"がありました。彼らは偵察隊を送った後、約束の地に入ることを躊躇してしまったのです。イスラエルに対して神様はおっしゃいました。「彼らのゆえにうろたえてはならない。あなたの神、主はあなたのただ中におられ、大いなる畏るべき神だからである。」(7:21)と励まし、さらに神様が「エジプトの全土になさったこと」、「主のしるしと奇跡、力ある御手と伸ばされた御腕をもってなされたこと」を思い起こしなさいと励まされたのです。(7:18,19)

◆私たちは人生の中で多くの壁を経験します。その壁の高さに愕然として諦めてしまうこともあるでしょう。何かをしようとしたときに"恐れ"を感じることもあるかもしれません。しかし、イスラエルの民を愛し、私たちを愛してくださる神様は、聖書を通して約束してくださっています。まず、私たちの「ただ中におられる」ということです。つまり、私たちの中心に共にいてくださるということです。次に、神様のなされた御業を「思い起こしなさい」ということです。私たちは主が共におられるということは何度も聞き、考えることがあると思います。一方でどれほど、主のなされた御業を思い起こしているでしょうか。

◆主のなされた御業を思い起こすとき、主の素晴らしさだけでなく、主の愛、励まし、慰め、希望を思い起こすことができるのです。

坂西恵悟

今週の一面『心をひとつに』 11/17  

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◆11/13~15に連盟定期総会が行われました。様々なことが協議され、これからの歩みについて決議されていきました。この総会の前に行われた日本バプテスト祈祷聖会では、1泊2日の短い期間でありながらも、内容の濃い1泊2日でした。何か特別なことを行ったのではなく、礼拝と祈りと証しの時間だけです。参加されたお一人お一人の証しを聞き、御言葉と祈りと賛美によって霊的な養いをいただくことができました。

◆この祈祷聖会は、昨年からスタートしましたが、きっかけ定期総会時に行われた早天祈祷会です。「聖書信仰に立ち、聖霊を求め、日本のリバイバルを求めて祈る。バプテスト本来の信仰の源流に立ち還る。日本バプテスト連盟加盟諸教会の祝福をとりなし祈る。イエス・キリストを証しし、宣べ伝える。」という目的でスタートした祈り会です。

◆昨年初めて定期総会に出席した時、全国の教会の牧師、信徒の方が集まっているのに、教会での恵みの分かち合いや祈り合いがないことに残念な気持ちになっていました。もちろん、大切なことを話し合っていますが、せっかくの機会がもったいないなと思わされたのです。そのような中、早朝に集まり祈るこの会は、憩いの場所となりました。

◆志を同じくする牧師や信徒の方々と、心を合わせて祈る。教会内で行われていることが教会を超えた交わりの中で行われていることに非常に励まされました。是非、この祈りの輪に加わっていただきたいと願います。
「しかし、このわたしには、わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るものが決してあってはなりません。この十字架によって、世はわたしに対し、わたしは世に対してはりつけにされているのです。」ガラテヤ6:14

坂西恵悟

◆イスラエルの民に再度、十戒を語ったモーセ。モーセは続けて、"主"がどのような方なのかを語りました。イスラエルはいつも異教の神に囲まれていました。アブラハムは月神信仰の地で育ち、エジプトでは様々な神がおり、約束の地には異教を信じている人々が住んでいる。このような状況を目の前に、モーセは再度 "主"がどのような方なのかを語ったのです。

◆モーセが語った"主"、それは「唯一の神」です。「ただ一人の神」です。このことが何よりもイスラエルの民の中ではっきりと知らせるべきことでした。またこのことは、申命記全体を通しても一貫して語られていることでもあります。

◆神様から大切な啓示を受けたイスラエルの民に、唯一の神を愛することが教えられています。
「心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」
(申命記6:5)
この言葉はイエス様も大切にされた第一の戒めです。神を愛することが、神様への応答となるのです。この4,5節の言葉が土台となり、6節以降では、信仰継承の広がりが語られています。「神を愛し、隣人を愛する」ことは、親から子、子から孫へと世代を超えて継承されていくのです。

◆私たちもこのことを大切にしていくことが必要です。何よりも、まず主が「唯一の神」であることを認め、その主を愛す。この神様への応答を私たちが行っていくことが大事です。普段の生活の中で、どれほど神を神とし、愛することができるのかを確認しているでしょうか。神を愛することを次世代に伝えていくことができているでしょうか。私たちは気づくと人中心になってしまいます。もちろん大切なことですが、イエス様も教えてくださっているように、モーセの時代から大切にされているように、まず唯一の神を愛していきましょう。

坂西恵悟

◆申命記4章は、申命記全体を要約している箇所とも言えます。モーセは1節において「今」にフォーカスを当てています。
「イスラエルよ。今、わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。そうすればあなたたちは命を得、あなたたちの先祖の神、主が与えられる土地に入って、それを得ることができるであろう。」(4:1)

◆3章までの荒野の旅が、ただ過去のもので終わるのではなく、目の前に広がっている約束の地がただの将来ではない。過去と今、今と将来はつながっているものなのです。モーセはこれまでの歩みを踏まえ、そしてこれからの歩みを踏まえて、「今」何が大切なのかを教えてくれているのです。それは、神様のことばを聞き、従うことです。神様のことばを聞くことによって与えられる喜びに満たされることです。このことは、イスラエルの民はもちろんのこと、今を生きる私たちにも必要なことです。

◆旧約聖書の人物エリヤは、神の山ホレブの洞穴で夜を過ごした時、神様が通り過ぎて行かれました。その時には、激しい風や山を裂き、岩が砕かれ、地震が起こり、火がおきました。その後、静かにささやく神様の声が聞こえたのです。(列王記上19:11-12)私たちの周りは様々な声があります。その中で「静かにささやく」神様の声に聞き従っていきましょう。「今」語られる、主の言葉に従っていきましょう。

◆聖書は私たちに「主こそ神であり、ほかに神はいない」ということを過去を通して示してくださっています。その過去を踏まえ、「今」を歩んでいきましょう。将来にある希望と祝福を期待していきましょう。

坂西恵悟

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