◆エフタは、6年間イスラエルをおさめた士師です。彼は、ギレアド人で勇者でした。彼の父はギレアドで彼の母は遊女でした。(11:1)それゆえに、兄弟と同等の権利が与えられず、追い出されてしまいました。エフタは逃げた先で、ならず者たちが集まり、彼らのリーダーとして立ったのです。
◆イスラエルとアンモン人は対立し、戦争になりました。ギレアドの長老たちは、エフタに指揮官になってもらうことを求めたのです。
◆アンモン人は、イスラエルの民がエジプトから出た時、自分たちの国土を奪ったと主張し、その返還を求めました。指揮官となったエフタは、アンモン人の土地をイスラエルは奪っていないということです。もともとギレアドの地はアモリ人の土地でした。アモリ人の王シホンを打ったイスラエルはアモリ人の地を占領しました。エフタの主張は、「あなたは、あなたの神ケモシュが得させてくれた所を得、わたしたちは、わたしたちの神、主が与えてくださった所をすべて得たのではなかったか。」(11:24)ということです。つまり、それぞれの土地はそれぞれの神によって与えられたものだと主張しました。
◆私たちには、主から与えられた生きる場所、範囲があります。物理的な住まいというだけでなく、環境や立場もそうです。神様によって与えられた場所で生きているのです。エフタが「わたしたちは、わたしたちの神、主が与えてくださった所をすべて得た」と主張するように、私たちが"今"置かれている所は主が与えてくださった所であるということを信仰を持って表していきたいのです。多くの戦いがあります。けれども『主の山に備えあり』とあるように、主が与え、備えてくださることに私たちは感謝し期待していきましょう。
坂西恵悟