今週の一面「間違った神への信頼」サムエル記上4章 2/21

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◆イスラエルで大切にされていた契約の箱。主が作るように命じられ(出エ25:10)、荒野をさまよっている時もイスラエルの真中にありました。ヨルダン川を渡った時も、エリコの町の崩壊も、この契約の箱が関わっていました。イスラエルの民にとって、見えない神を身近にとらえることのできるものとして、大切にされていたのです。

◆しかし、イスラエルはこの契約の箱を戦いの前線へと持ち出しました。これまでのイスラエルの歴史の様々な場面でキーとなっていたであろう契約の箱。箱そのものに効果はありません。主が臨在されない限り、ただの箱なのです。契約の箱によって、民の士気は高まりました。しかしそれだけでした。イスラエルの士気の高さを恐れたペリシテ人たちは、イスラエル以上に自らを鼓舞し、戦いました。その結果、イスラエルは破れ、契約の箱は奪われていったのです。

◆この敗戦の一番の要因は、契約の箱が自分たちに勝利をもたらすという間違った認識です。たしかにこれまで、契約の箱があるところに勝利がありました。神の臨在を象徴するものとして用いられるはずなので、箱そのものに力があると勘違いしていったのです。

◆この戦いをベニヤミン族の一人が報告しにきます。彼は自分の衣を裂き、頭に塵をかぶっていました。この行為は、嘆き悲しみを表すものでもありました。エリは、契約の箱が奪われたことを聞き、彼の席から落ち、首が折れて死んでしまいました。

◆イスラエルは、間違った神の臨在を求める信仰によって敗れました。悔い改め砕かれた心からの主の言葉に聞き従う信仰によって従うところに主は栄光を表してくださるのです。

◆四旬節が始まりました。イースターを迎えるにあたり、改めて私たちも主に悔い改め、イエスキリストの苦難、十字架、復活を覚えていきましょう。

坂西恵悟

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