今週の一面「サウルとヨナタン」サムエル記上14章 5/23

Shin1

◆13章で集められた3000人の兵たちは、ペリシテ軍の圧倒的な数の多さ、武力に怖気付いて、隠れ、逃げ出していました。サウルのもとに残った兵士はおよそ600人でした。しかも剣も槍も持っていませんでした。サウルは、ミグロンのざくろの木陰にいました。元々の言葉では、「座っていた」という意味であることからも、その場から動くことができなかったのでしょう。そんな中、息子ヨナタンは行動をしていったのです。

◆ヨナタンの行動には、ヨナタンの信仰が見られます。彼は、迷うことなく、ペリシテ軍の元へと進んでいきました。兵の数の多少を問題にしていなかったのです。ここにヨナタンの信仰があります。ヨナタンは自分自身に自信があるのでも、自分の力を過信しているのでもありません。「主が計らってくださるに違いない」という神様への信仰を持って進んでいったのです。ヨナタンは、主が答えてくださるしるしを受けて、勇気をもって敵陣に攻め入りました。従者との2人での戦いがどのようなものか具体的ではありませんが、結果20人の敵を倒し、ペリシテ軍全体に動揺を引き起こす結果となりました。

◆一方、サウルはペリシテ軍の動揺を知り、祭司アヒヤに対し、神の箱を運ぶよう命じましたが、それを途中でやめ、攻勢に出ました。主の救いによって、イスラエルは形勢逆転することができたのです。サウルは、神様に託宣を求めようとしながら、それを途中でやめたり、無理な誓いを兵士たちにさせ苦しめました。サウルの神様に対する信仰の一貫性を見ることができません。

◆サウルは、イスラエルの王として国のために戦った立派な戦士であり、指導者でした。彼なりの神様への信仰を表そうとしていました。しかし、その神様への敬虔さは、神様の言葉に聞く信仰ではなかったことが明らかにされていくのです。

坂西恵悟

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