今週の一面「脅威の前に立つ」〜サムエル記上17:1-11〜 6/13

Shin1

◆サムエル記上17章は、旧約聖書の中でも有名なダビデとゴリアテの物語です。ペリシテ人は戦いに備えて軍を招集しました。彼らが陣を敷いたのは、エルサレムの南西約27km、ベツレヘムからは西方約20kmのところに丘陵地帯です。ペリシテはソコとアゼカの間、イスラエルはエラの谷にそれぞれ戦いに備えたのです。

◆ペリシテには身長280cmを超えるゴリアテが、青銅の装備を装着していました。ゴリアテは、イスラエル人に対し、一騎討ちを挑み、敗れた方が奴隷になるように呼びかけました。この一騎打ちの習慣は、当時のイスラエルのものではありません。ギリシャの習慣でした。ゴリアテは、挑んでくる者などはイスラエルにいないと侮り、愚弄し続けました。また、イスラエル人だけでなく、イスラエルの神をも愚弄していました。そのことを気づいていないイスラエルは、この屈強で、大きなゴリアテを前に、恐れおののいていたのです。イスラエルの神を愚弄することの深刻さを明らかにしたのは、少年ダビデだけでした。

◆サウルをはじめ、イスラエルの民はゴリアテの前に恐れおののきました。目の前にいる、たった一人の脅威に怯えていたのです。これまでのイスラエルの戦いを振り返ると圧倒的不利な状況で、勝利をしたことがありました。サウルが王となって2年の時、戦ったペリシテとの戦いでは、圧倒的な戦力差がありながらも、ヨナタンの信仰をもった行動により勝利しました。主により頼む先に、主にある勝利がありました。しかし、この時のイスラエルは主により頼むという考えに至らず、ただただ目の前の脅威に怯えていたのです。しかし、信仰によって歩むダビデにとっては、この戦いは主の勝利が約束されたものだと確信を持っていたのです。

坂西恵悟

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