『恐れをもって逃げたダビデ』〜サムエル記上21章〜. 7/18

Shin1

◆ヨナタンとの別れを告げたダビデは、サウル王から逃げる逃亡生活が始まります。この逃亡生活は、このあと29章まで続いて行きます。ダビデが向かったノブという町は、「祭司の町」(22:19)と呼ばれていたことからも、重要な場所であったと思われます。

◆ダビデは恐れを抱きながらもまず、祭司のもとへと逃げ込みました。長い逃亡生活のはじめに祭司を選んだのです。ここからも、ダビデが危機に遭遇した時、預言者や祭司のところに最初にいくのは、預言者たちが神様の言葉に関わる人物であり、ダビデは自分の将来を神様に委ねる信仰を表明していたことがわかります。ダビデは、サムエルから油注がれ、王様となることが神様のご計画でした。その歩みを見る時、ダビデのもとに確かに主が共におられることが明らかにされていました。

◆しかし、ダビデはアヒメレクに嘘をついてその場をしのぎ、パンと武器を得ました。もし、正直に話していれば、匿うこと自体が王に対しての反逆行為ととられていたことでしょう。22章では、その場にいたドエグというサウルに属する牧者によって、密告されることが書かれています。

◆ダビデは、ペリシテのガトの王アキシュのもとへと逃げました。しかし、ダビデであることを知られ、ダビデはアキシュを非常に恐れたのです。ダビデは、気が狂ったような振る舞いをし、その場を凌ぎました。

◆生きることは、綺麗事だけではできません。神様の守りもただ眠っていて与えられるものではありません。主の守りを信じるがゆえに、生きる努力が必要なこともあるのです。様々な計略を行ったダビデ。そのダビデの背後には、確かな神様の導きがありました。たとえ、困難の中にあったとしても、主の導きと守りがダビデの上にあったのです。ダビデは、逃亡の中でそのことを学んでいったのでしょう。主への信仰を深め、主の守り、導きが表されるのです。

坂西恵悟

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