昨日夫と大槌町に向かうとき、遠野は晴れやかな良い天気。
日中の最高気温は30度の予報。
9時半ですでに28度と暑く、暑さ対策でペットボトルに凍らせたお茶を
用意し、日焼け対策も万全に出発。
いつものように仙人峠道路を使う。
仙人峠道路は全長13キロ、その内10キロ弱が4つに分かれたトンネルです。
トンネルに入る手前で気温は28度。
トンネルに入り「直射日光が遮られると涼しくなるね」としゃべりながら
二つ目のトンネルを出た瞬間「えっ」と二人でびっくりした。
一面真っ白な霧の中。小さな雨粒がフロントガラスにまとわりつく霧雨。

4つのトンネルを抜けると気温は17度。
11度も下がっている。10キロ弱の間になにが起きていたのか?
まるで別世界に来たみたいだ。
沿岸部に行くとさらに15度に下がり、羽織るものがほしくなる。
日焼けよけのアームカバーが暖かい。
凍らせたペットボトルを見るとさむっ!
自然現象恐るべし。
今、遠野は暑いのか寒いのか?

追伸  帰りの峠では12度でした

〜遠野の風だより〜 No.5 『旅は道連れ』  

ありこ

私たちが横浜から遠野に帰るときに、神奈川連合の教会から4名の
ボランティアさんが丁度遠野に向かうため、ご一緒に車で向かいました。
前日までの雨が止み、太陽が出てよい天気。ドライブ日和になった。
10時に待ち合わせて、いざ出発。
渋滞が予測された首都高も順調に通り過ぎ、東北自動車道へ。
ビルの谷間から一変青空がすっきりと広がる景色の中、他愛の無いおしゃべりに
なごやかな雰囲気の車内です。
しばらく走り、昼食のためにパーキングエリアにはいると、かなりの数の自衛隊の車。
後で解るのですが、毎月11日の行方不明者の捜索に携わる自衛隊の方々でした。

遠野には「こびる」というのがある。
こびるは小さいお昼という意味で、でも軽食ではなくおやつのこと。
こびるパンというものが売っている。「がんずき」とも言う。
いわゆる蒸しパンのことだが、くるみやゴマが入りずっしりと重い。
各家庭の味があり店によって味も形も違う。
また団子やお餅類も多いが、甘い。
甘いといえばお赤飯も甘い。おいしいのだが食事としてはいかがかな?

郷土料理のひっつみもある。
先日母が大阪から来たときに食べに行ったが、すいとんのような物と
説明したらあまり乗り気ではなかったのが、食べるともちもちとした歯ごたえと
つるっとしたのど越しに鶏だしがおいしく、母はお土産に買って帰った。

ヘルシーな羊のジンギスカンも人気。
金のバケツに穴を開けて炭を入れ、その上にジンギスカン鍋を
置いて焼くのが遠野風。スーパーマーケットにもセットが売っています。
そろそろバーベキューの季節。楽しみ!

福島原発震災現地フィールドワークに参加した。
車で福島をめぐると桜が咲き新緑のすばらしい自然が広がっている。

しかし雑草が生え荒れた田畑、家主を失った家がなんとも寂しげにたたずんでいるのが見える。
放射線量が高い地区に入ると言われても、ピンとこない。
匂いも無く見えない放射線。
自然豊かなこの地に住めない言い知れぬ悲しさ。

先日大槌町の山菜にセシウムが検出されたという。
山菜を取りに行ったり食べないようにとのこと。
えっ!もう遅い。ふきのとうもこごみも食べた。
色も匂いもないセシウム、恐ろしい。

原発問題を考えるときに神様から知恵をいただき進んでいきたい。

先日被災地の美容院で髪の毛を切ってもらった。
髪型の注文をしてすぐに地元の人間でないことがばれる。

美容師さんの家は津波の被害にあわずに済んだ。
しかしライフラインは止まり、自衛隊の支援が来るまで不安な日々を過ごし、
水道が使えるまで不自由だった。と話してくださる。
この方の家は大きな建物の影になり近所5件が取り残されていて、
自衛隊員は「遅くなってすみません」と謝られたようです。
小さなお孫さんがおられるこの家族のご苦労はいかばかりだったろうか。

知り合いの避難所生活のことや一年が過ぎた今までのことをいろいろと
話してくださるが、私が地元の人間でないからこそ話ができたという内容もあった。

さて髪の毛が整った。次の仮設へ行こう。

ふきのとうが顔をだしはじめた。
大槌町からの帰り、もう雪は解けているだろうと笛吹き峠を使った。
ふきのとうが見えたので車を止めて沢に降りるとバンジーが鹿の足跡を見つけた。
水を飲みにきたのだろう。遭えなかったのが残念。
ふきのとうは蕗味噌とてんぷらを作った。苦い!しかし春の爽やかな香りがする。
雪の下でじっと踏ん張り栄養を蓄えて雪が解けたとたんに顔を出す。すごい生命力。
私達も寒い冬を過ごし活動的になる春を迎える時、この恵みをいただき力を得る。感謝。
遠野の桜のつぼみはまだ硬いがその横で大きな大きな鯉が風をうけて元気に泳いでいる。
春が来た。

東日本大震災被災地支援のため、岩手県にある遠野ボランティアセンターで
専任スタッフとして働いている佐藤夫妻。その遠野から風のたよりを届けてくれます。
ご期待下さい!

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