さわやかな結婚式

管理人

◆その日は、雨で始まりました。衆参両院統一総選挙という珍しい日
でした。選挙後、家を出るのですが、この家に帰ってこないのだと思
うと感慨深いものがありました。「後で」と両親に別れを言って先に家
を出ました。教会学校、礼拝、献金の計算を済ませ、ようやく式の準
備です。雨はすっかり上がって初夏の日が差していました。全体予行
演習もなく本番を迎えた日は、私たちもそうでしたが、教会の人たち
もなんとなく緊張していました。

◆二人の出会いは、教会学校でした。私が試験勉強のため教会を休ん
でいたときは、私が行っていた奉仕も代わってやってくれました。1979
年8月第3週の主日の夜、試験を終えて家に帰ったとき神の声を聞き
ました。「試験の結果に捕らわれないで、結婚を考えなさい」。彼女に
電話しました。「長い間ありがとう。あと少しだったかも知れない。…」。
暫く無言で、次の言葉は出ませんでした。クリスマスを前にしたときようや
く告白しました。年が改まってから返事をいただき、彼女を両親に紹介
したのは2月11日でした。金子敬先生ご夫妻を訪ね、結婚の話をし証人
をお願いしました。金子先生は、彼女の両親の所に私と両親とで直ぐ
に挨拶に行き、了解をいただいたらすぐに結婚式をしたらいいでしょ
うと言ってくださいました。彼女の父が一時帰国した3月30日主日、
礼拝をお休みして私と両親、彼女の4人で福井に向かいました。親同士
が東京で生活していた事などもあったりして話が盛り上がりました。
大事な話は後回しになってしまい、教会で婚約式、結婚式を挙げること
を話して了解していただきました。教会の人には内緒でしたので、公
に会うことができず、祈祷会の帰り二人きりのバスの中で「110円デート」
をしました。結婚を公にしてからは一緒に行動することも可能になった
のですが、「110円デート」は続きます。式の準備などいろいろなことを話し
ました。そして6月22日の式の日を迎えました。

◆式が始まる前からハプニングが続出です。が、すぐに解決に導かれまし
た。主が御臨在していてくださることを感じさせられました。当事者
はハッとすることばかりでしたが、集われた方にはそんなことは知ら
れずに進められました。レセプションの中では、彼女の上司が110円デートの
話など結婚に至るエピソ-ドを話してくれました。彼女の伯母が福井で機
関誌に私たちの結婚式を「さわやかな結婚式」として、出席したとき
の感想とエピソードを紹介していたことを後から知りました。

(伊東昌彦)

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