◆「大抵の人は生まれながらに神様から与えられている能力の
半分も使わないで暮らしています。ただ困難と勇気とが眠ってい
る力を呼び覚まして、人間のもつ驚くべき可能性の一部を示して
くれるのです」と、７才のとき両眼失明された方が語っています。
◆この人は、突然の失明にショックで自分の部屋のベッドの中に
一日中寝ていました。ところがある日、母が今日からは、普通の人
と同じ様に生きるのです」と言って、目の見えないことを知らない
かのように、なんでも普通の子どもと同じ様に取り扱い始めたの
です。
◆高い所から落ちたり、何かにぶつかって怪我をして泣いて帰って
来ると、母はやさしく傷口の手当てをしてくれますが、すぐに「また
いってらっしゃい」といって新しい用事を言いつけました。
◆それから数年間、体の傷のたえたことはありませんでしたが、
ある日、学校の運動場を友達と一緒に走り廻っているとき、塀の
前に来てぱっと止まったのです。前にコンクリートの物体がある
ことを肌に感じたのです。自分の体から発する電波が、塀に反射
して戻って来るのを、敏感に感応したからです。
◆人間の中には、死蔵されている力が予想以上に多いようです。
それを揺り動かし、目覚めさせるもの。しばしば困難という形を
通して私たちに迫ってくる神の挑戦です。
◆困難をあえて神のために受け、それを克服して生きようとする
勇気のある者は、自分の中に絶えず新しい可能性を発見して驚く
のです。
