最も弱い救い主 (1)

管理人

◆今年もすでに街はクリスマスの準備を始めています。こうした華やかな光景を見なが
ら、人々が平和に暮らすことが、なぜこんなにむずかしいのだろうと、ふと思わされます。

◆飛行機の座席から見降ろすと、眼下に広大な景色を目にすることができます。いく
つもの川、湖、山々、曲がりくねった道、地上のあちこちに広く点在する町や村。スペ
ースシャトルの窓から青く輝く地球を見た宇宙飛行士は、そのあまりの美しさに圧倒さ
れ、地上に住む人々が戦争や摂取で、お互いの家を破壊したり、殺し合ったりしてい
ることが、とうてい信じられないと言います。

◆神がこんな地上をご覧になられ、涙を流されているのではないでしょうか。それは、
力への渇望が人々の心を捕え、人間の精神を蝕んでいるからです。神の視点で私たち
のまわりを、また自分の内を見つめてみると、力への渇望が広く浸透していることが
よく分かります。

◆この世を支配し、人間とこの地上を破壊する圧倒的な力に対し、神はどう対応して
きたでしょうか。それは、無力を選ぶことでした。神は、まったく無力な存在として、
人間の歴史に介入されました。ナザレのイエスという無力な者となって、神は私たち
に現われ、最も弱い救い主として、赤ん坊として、家畜の飼い葉桶(最低の環境・人
間の罪の世界)に生まれました。

◆神はまったくの徹底的な無力さによって、力という幻想を取り除き、この世を支配
している闇の支配者の武装を解除し、分裂した人類に福音(新しい一致)をもたらしま
した。

(続く)

過去の記事