「聖書新共同訳」使用にあたって

Shin1

◆最近、時があまりにも速く、刻々と変化していることを感じます。年のせいではないように思われます。1年前に比べると、日本では政権が交代し、地球温暖化によってガソリンカーからエコカーへの移り、世界的な不況の中で、中国、インド、ブラジルは目覚ましい経済成長を遂げています。世界は今後どう変化していくのでしょう。

◆会堂が与えられるのを機会に、聖書を『新共同訳』に統一しました。ところが、日本聖書協会は、これから30年先を考えて『聖書新共同訳』の次の翻訳となる、新しい世代に向けた聖書(標準訳)を翻訳するべく、今年から作業が開始されることが発表された。

◆19世紀に日本へのプロテスタント宣教が開始されると同時に、聖書の日本語化への取り組みが始まり、1887年に『文語訳』が出版され、キリスト教会のみならず、当時の日本の思想、文化の発展に大きく貢献しました。第二次世界大戦後は、国語教育の変化に対応して『口語訳』が出版されました。これらの聖書はおもにプロテスタント教会で用いられてきたものですが、1987年刊行の『新共同訳』は、プロテスタントとカトリックが共同で行なった、期を画する事業の結実として長い年月をかけて完成したのです。

◆『新共同訳』刊行から20年が過ぎた現在、その間生じた聖書学、翻訳学などの進展、底本の改訂、日本語や日本社会の変化から、『新共同訳』の次の翻訳への要請は常に謙遜に御言葉に従っていく姿勢の表れだと思います。

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