個人伝道・信徒伝道 (1)

Shin1

◆日本の伝道を思う時、なぜいつまでもクリスチャン人口が1%なのでしょう。これだけ発展した日本でキリスト教が伸びないのは世界の教会の七不思議の一つと言われているそうです。

◆私が青年の時、来日して大きな影響をキリスト教界に与えた神学者エミール・ブルンナーが、1950年に開かれた宣教90周年大会で語られた言葉は強烈でした。「日本の教会の問題性、それは羊飼いが羊を産んでいる。羊は羊を産んでいくものだ。羊飼いが羊を養い、羊が羊を産んでいくようにならねばならない。」(注:ここでの羊飼いとは牧師、羊とは信徒のこと)。

◆60年経過して、現実はどうなっているのでしょう。羊飼いも羊を産まなくなって、羊は減るばかりと悪化の一途を辿っているのではないかと思えてなりません。

◆ところである人が言いました。「福音書は四つではなく、五つあるのだ。」マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネに並んで「あなたの福音書」があるというのです。各人の体験、喜びと涙で綴る福音書。信仰告白の福音書をこそ人々は読み、聞きたがっているのかもしれません。

◆信徒伝道というのは、同じ現実に生きる信徒が証しするとなると状況は一変します。仲間の声を通じて人々に接近していく、それが現代の使徒言行録(29章)でしょう。相手と同じ地点に立ち、同じ言葉を語り、相手と同じ思いを持つことなくして伝道は展開できません。家族伝道も同じことではないでしょうか。

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