〜オリーブの香り〜 No.25 『領土問題に心痛めて』

ゆっこ

・日中、日韓関係の冷え込みのニュースが続くなか、私は思い出すことがある。
 韓国の教会から、日本の超教派の牧師(5−6名)が招待された。
 父もその中の一人だった。
 私は母に代わって、パーキンソン病と診断されて間がない父に同行して
 韓国へ行った。もう25年前のことだ。

・父はメッセージのため7万人の会衆の中講壇に立った。
 私は2階の外国人席へ案内され、同時通訳のヘッドホンを付けて席に座った。
 それは、張りつめた空気だった。
 父はメッセージの冒頭、過去の日本が犯した罪を謝罪し、深く頭を下げた。
 どよめきが起こり、そして拍手に変わり、鳴り止まなかった。
 キリスト者の和解の瞬間を目の前に見た。

・作家村上春樹氏は今の日中の緊張関係の状況を憂いて、新聞(9/28朝日)に寄稿
 されている。
 全文を読んでいただきたいが、その締めくくりの文を紹介します。
      
「魂が行き来する道筋を塞いでしまってはならない。
  その道筋を作るために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を
  重ねてきたのだ。
  そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない
  大事な道筋なのだ」

  私は日本のリーダーのためと東アジア近隣諸国のために、祈ることを強く思う
 この頃です。

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