『 モーセの足跡から(最終) 〜神に振りまわされる生涯〜 』11/4

Shin1

◆天寿を全うする、という言葉がある。主の言葉(「主の僕モーセは、主の命令によってモアブの地で死んだ」申命記34:5)のとおりに死んでいったモーセはまことに天寿を全うした人でした。今約束の地カナンを望み見つつ、使命を終え、ひとりピスガの山頂(ネボ山)で死につく。彼モーセの生涯は、波乱に満ちた一生であり、神に振りまわされた生涯であったのです。

◆顧みれば、エジプトの地に生まれ、ナイル川に流され、ファラオの娘に拾われ、王宮で育ち、同胞の救いのために立ち上がり、それに失敗し、ミディアンの地にのがれ、そこでチッポラと相知り、子を生み、義父のもとで平穏な生活を送ることわずかにして再び主に召され、エジプトにつかわされ、ファラオに悩まされ、同胞にそむかれ、荒野をさまよい歩くこと40年、外敵の襲来、内部の謀叛、自然のきびしさに苦しめられながら、120才で亡くなっている。「モーセは死んだとき120才であったが、目はかすまず、活力もうせてはいなかった」(申命記34:7)。

◆まさに、神に振りまわされた生涯。しかし、彼こそまことに充実した人生を生き抜いた人物であり、その生涯は神にある栄光の道であった。このような生き甲斐のある生涯を生きた秘訣は、祈りの人生につきることが、次の御言葉で納得できる。「イスラエルには、再びモーセのような預言者は現れなかった。主が顔と顔を合わせて彼を選び出された」(申命記34:10)。

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