『 緊急事態からの解放(1) 』12/2

Shin1

◆自分にとってやりがいのあることは、それがどんなにきつくて長時間、全力で仕事に没頭しても、疲れなどは、むしろ仕事の達成感と喜びで吹き飛んでしまいます。過ぎ去った一ヶ月、あるいは一年を振り返るときに感じる落胆は、きつかった仕事そのもののせいではなく、重要なことをやり損なったかも知れないという心配からきているのです。山積みになっている未完成の仕事からくる圧迫。欲求不満の暗礁に私たちを乗り上げさせる人々の要求。その結果、「しなければならないことをし残して、しなくても良いことをしてしまった」という思いに捕われてしまいます。

◆あるベテラン工場長がこう言っていました。「最も危険なことは、急ぎの仕事が重要な仕事を押しのけてしまうことです」と。その言葉にハッとさせられました。自分が間違った優先順位で生活していることがどんなに危険で、心が責められることかということです。

◆私たちは、緊急な事と重要な事の狭間で、絶えず緊張して生活しています。「重要な事を急がなくてもいいという思い」になってしまうことに問題があります。日常生活で、急用の電話(メール)が次々とかかって(入って)きます。その時は、断ったら悪いような気がして、つい引き受けてしまいますが、いざ取りかかるとエネルギーを消耗させる結果になります。そして、本当に重要なことができなかったという虚脱感に悩みます。こうした生活パターンから逃れる道はあるのでしょうか。            (続く)

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