〜オリーブの香り〜 No44 『レントと宝物』

ゆっこ

・ちょうど6年前のレント(受難節)の頃、福岡の友人とゆっくり話をしたいと思い、
 会うことにしました。
 友人が、ここならきっとゆっくり話が出来るし安いと選んでくれた宿泊場所が
 カトリックの施設「黙想の家」でした。
 福岡県内です。
 石造りの立派な素晴らしい建物でした。 
 二人で到着し、チェックインをして友人と私は顔を見合わせ。
 「しまったあーーー!!!」
 この施設はその名の通り「黙想の家」
 いっさいおしゃべり厳禁!しかも全館一人部屋!

・食事の合図で食堂に行っても友人と話も出来ず、しかも私は日頃の親切心で
 並んで順番を待っている人にお味噌汁をついであげたら
 『ご自分のだけでいいです』と注意されました。
 ごはんとお味噌汁とたくあんの、ポリポリと言う音しか聞こえません。
 「あああ・・・今は受難節だったぁ・・・」

・しかし神様は素晴らしいプレゼントを用意しておられました。
 この日夕食後レントの時期に一夜だけのプログラムに参加できました。
 それはこの石造りの建物の前庭に松明(たいまつ)がたかれただけの
 暗い場所での聖書の朗読でした。

・「ヨハネによる受難」と題して神父さんが聖書を一字一句暗誦されました。
 3月末とはいえ冷たい夜風が吹き、松明(たいまつ)の炎と火花が舞い上がる中で、
 神父さんの声は響きました。
  『初めに言葉があった。言葉は神と共にあった・・・・・・』

・この時のDVDを私たち二人に特別にと、一枚ずつプレゼントして下さいました。
 神父さんは、どうも私たちがとまどっている様子を見ておられたようです。
 そのDVDは私の宝物の一つに加わりました。
 そして毎年この時期1回だけ見ることにしています。 
 これが私の受難節です。

 

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