今週の一面 『 捨てるに時あり 』 9/15

Shin1

 「盲人は上着を脱ぎ捨て、躍り上がってイエスのところに来た」
       (マルコ10:50)
◆イスラエル人にとって上着は、ただ一着の衣服であり、寝具でもあった(出エジプト22:27)。まして物乞いにとっては、かけがえのない生活必需品であったに違いありません。ところが、この盲人の物乞いは、主イエスから呼ばれた時、その上着を脱ぎ捨てて主のもとに行った、と聖書はしるしています。一秒でも早く主のもとに行きたいと願う彼の心にとって、上着はじゃまな物であったのであろう。しかし、このことによって、彼は主にまみえ、主から「何をしてほしいのか」とやさしく語りかけられたのです。

◆第二次世界大戦時、ある船が大西洋上で敵の魚雷を受けて沈没した。乗客は海に飛び込み、彼らにブイが投げられた。ところがその中の一人の人は、ブイが自分のそばに投げられたにもかかわらず、荷物をしっかりと抱いていたので、せっかくのブイにつかまることができず、ついに荷物もろとも海中に消えて行ったとのことである。彼は荷物を手放さなかったため命を失うことになったのです。

◆主は言われた「自分の命を救いたいと思う者はそれを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである」(マルコ8:35)。わたしたちも、主にこたえてゆくために、足にまといつくようなものがあれば、勇敢に脱ぎ捨てて主のもとに駆け寄ろうではないか。
       「投げ捨てるのに時がある」 (コヘレト3:6 私訳)

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