今週の一面「『 ガラテヤ人への手紙 』について」① 1/12

Shin1

~「戦いの手紙」「自分の妻」~

◆『ガラテヤ人への手紙』を礼拝メッセージで語るにあたって、成り立ちの事情などについて簡単に説明したい。筆者は使徒パウロで、書かれた年代は紀元50年ごろと思われる。「ガラテヤ地方の諸教会へ」(1:2)とあるので、ガラテヤ地域のパウロが直接伝道し建設した諸教会宛の手紙です。しかし、彼がこの手紙を書いた日以来、このガラテヤ人の手紙は北極星のように全人類の生活上に輝いています。ことにキリスト教会が、この世の海の中を航海してゆくときに、船が北極星で進路を定めたように、この手紙によっていつもその信仰生活の方向を正されてきました。

◆この手紙の性格について2つのことが言われています。一つは、「戦いの手紙」という呼び名です。もしこの手紙が書かれなかったら、おそらくキリスト教信仰なるものは、一世紀終わりごろにはもう地上から姿を消していたと言っても過言ではないと言われています。そういうキリスト教信仰が立つのか、倒れるのかという戦いのために、この手紙は書かれたものです。

◆もう一つは、宗教改革者マルティン・ルターがこの手紙を「自分の妻」と呼んだという有名な話しがあります。つまりわれわれの教会、プロテスタント教会、福音主義教会の祖であるルターにとって、カトリック教会とプロテスタント教会がどうしても袂を分って、宗教改革が起こらねばならなくなったときに、この手紙が自分の愛妻のごとく常に傍らにあることで、宗教改革を成し遂げることができたのです。

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