今週の一面『 この世の老い 』2/2

Shin1

◆混迷きわまりない現代において、いまなお大きな影響を与えつづけているのがアウグスティヌス(314~435年)です。彼が晩年になって残した有名なことばがあります。自分の国を追い出されて逃げてきた避難民に「この世の老い」について語ります。
250px-Saint_Augustine_by_Philippe_de_Champaigne.jpg

◆「老いるとともに、身体が衰え、病気は増えます。この世も同じです。ローマは衰え、世は老いました。」(『神の国々』)

◆現在の日本についても同様だと思われます。経済成長を謳歌してきた日本について「日本社会は老いつつある」と社会学者は言います。自然界も、いや地球自体が老化し衰えてきている、そう言っても過言ではないでしょう。

◆「しかし」。上記の言葉に続けて、アウグスティヌスは言うのです。「しかし、キリストは、とこしえに若いいのちを保たれます。あなたがたは、この世が年老いても、キリストと一つに結ばれて、再び若返ることを拒んではなりません。キリストは招いておられます。『若者も倦(う)み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが、主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない。』(イザヤ40:30 31)」(『神の国々』)

◆「この世の老い」の中にあっても、私たちには希望があります。「キリストは、とこしえに若いいのちを保たれる。」このことばを念頭に置きながら、信仰生活を歩んでいきたいと思います。

過去の記事