4月1日夕刻、東京八重洲地下街。前を歩く3人組、明らかに新入社員。会話が耳に入った。「緊張したねー。肩がはって、重たかー」。おっ、九州弁だ!、思わず、頑張れよと激励したくなる。
きょろきょろしながら歩く3人組(こら、あまりきょろきょろするな! いかにもお上りさんだぞ)。
「朝のラッシュすごかったね」
「それでも、今日は遅めやったけん、それほどでもなかったらしいよ」
「えー、そうね」
(そう、とうちゃんも昔横浜に来て初出勤の朝、横浜駅で思わず、身がすくんだものだ)
「今日のオリエンテーション、みんなできそうな奴ばっかしやったね」。
「要領がよかもんね、何かスマートやろ」。
(わかる、わかる、とうちゃんもそうだった。しかし、気にするな、同じ会社に入ったんだから、そんなに差があるわけではない。都会出身の新入社員は雰囲気に慣れてるだけだよ。大切なことは、一つひとつ誠実に取り組むことだ)。
「明日は、歓迎会があるけど、先輩たちも結構くるらしか。何か緊張するね。」
(明日のことを思い煩うなかれ。心配ないよ。それと3人でかたまらずに、別々に座るんだよ)。
頑張れ!地方出身の新入社員。このとうちゃんのように陰ながら応援している人はいっぱいいるのだ。不安も多い、生活に慣れるのにも大変だろう。でも、人間には順応力が備わっている。だから。大丈夫。でも、全部慣れる必要はない。自分で大切と思うこと、これはおかしいと思うところは、どんなところでも貫けばいい。朝のラッシュがいやだと思えば(尋常ではないと思えば)、ラッシュの前に通勤すればいい。
とうちゃんの母が、とうちゃんの若いときに語ってくれた言葉がある。「若いときの苦労は買ってでもしなさい」。
不安がある、苦労がある。だからこそ、未来と希望があるのだと思う。
新入社員に贈る言葉
「ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である」(ルカによる福音書16:10)
「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい、そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる」(マタイによる福音書7:7)
「明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイによる福音書6:34)
By とうちゃん