今週の一面『 小さな親切 』 3/6

Shin1

◆「互いに親切にし、憐れみの心で接し、神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、赦し合いなさい。」(エフェソ4:32)

◆「19世紀後半の話、イギリスの国会議員の馬車が泥沼に入ってしまって動けなくなった。国会議員は自分で何とか引っ張ろうとしたが駄目だった。ところが彼が困り果てたところへ一人の農家の少年がやって来て、泥沼から馬車を引っ張り上げることに成功した。驚いた国会議員は、その少年に『お金は、どれくらい払ったら良いのかね』と言った。少年は答えた。『僕は、何も要りません。あなたのような偉大な方をお助けできて光栄です。』すっかり感心してしまった国会議員はまた尋ねた。『大きくなったら、何になりたいのか。』少年は、医者になりたいけれども家庭が貧しいから無理だろうと答えた。すると国会議員は言った。『あなたの学費を全部、出そう。』こうして、少年は学校に行き、医者になった。その50年後のこと。イギリスのウインストン・チャーチル首相が肺炎で死にかけていた。第二次世界大戦の真っ最中で、イギリスはドイツの空襲を受けピンチに立たされていた。最後の手段として、医者たちは新しく開発されたばかりのペニシリンという薬をチャーチルに投与した。するとチャーチル首相は一日で元気になり、イギリスを勝利に導くことが出来た。そのペニシリンを発明した医者は、50年前に国会議員の馬車を泥沼から引き上げた、アレクサンダー・フレミングという少年だった。しかも馬車を引き上げてもらった国会議員は、ランダル・チャーチル(ウインストン・チャーチルの父親)だったのだ。こうして、少年の小さな善行(親切)が自分の人生を変え、チャーチルの少年に対する善行(親切)が自分の子供の命を救い、また国を破滅から救うことにつながった。」(W・ウッド、『100のミニ・メッセージ』、イーグレープ、2009年。)

◆数年前、アメリカでは「小さな親切運動」が注目されたそうです。一人々々が毎日、隣人に対する親切を心掛けていくなら、世の中が変わるということですが、これは聖書の教えとも一致した考え方です。今日の世界の状況を見ると不安だらけです。安心して海外旅行にも行けない...。また、日本でも日々様々な残酷な事件が起こっています。世の中を変えようという大きなビジョンを掲げなくても、自分の家庭、学校、職場で「小さな親切」を実践すれば、周りの人たちも、また自分自身もホッとして元気が出ます。そして、いつしか「親切」と「親切」が繋がる奇跡が起こるかも知れません。

松﨑 準

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