今週の一面『 みんな恐怖症 』6/12

Shin1

◆「みんな、あんたをひどい人だと言っているよ。」こんなことばを聞くと(ネット上に書き込まれたりすると)、胸はドキッとし、心臓は高鳴ります。「みんな」などということはうそで、ごく少数の人の言う事を言っているのに、私たちは「みんな」と言われてドキッとする。現代人は「みんな恐怖症」にかかっている。それは現代人が神を信じ、神を恐れなくなった代わりに人を、すなわち「みんな」を恐れるようになったからではないか。そして、この「恐怖症」は現代人をいろいろ苦しめている。

◆一方、みんなで渡っていれば恐くなかった社会が、いま崩壊しようとしている。なりふり構わず金銀を追い求めてきた社会システムが音をたてて崩れた。ここにも「バブルの崩壊」という現象を通して「社会の崩壊」「教育の崩壊」「家庭の崩壊」「自然界の崩壊」などの崩壊現象に「みんな恐怖症」が拡がっている。

◆こうした現代人が、安定した生活を取り戻すのにはどうしたらよいのだろうか。アウグスチヌスのことばに「主よ、わたしはあなたのもとに憩うまで平安はありません」というのがある。神に帰れ、世間がどう騒ごうと人がどのように言おうと、それらに左右されることはない。その時に初めて「みんな」から自由にされる。そして、神の愛のうちに安けさを得る事ができる。イエスさまは言われた『わたしの平安をあなたがたに与える』と。ここにだけ現代人の救いと「みんな恐怖症」という煩いをいやすものがある。

石田政美

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