◆レントの期節は、イエス様のご生涯の最後にあたる受難の日々、十字架に至るまでの主の歩みを覚える期節であり、私たちキリスト者ひとりひとりが自らの信仰を新たに顧みる期節でもあります。
◆ガリラヤ湖の周辺を中心として、ある時は徒歩で、ある時は舟に乗り、さまざまな人々との出会いを重ねて進んできたイエス様の生涯の道行きは、その終わりに近づくにつれて、徐々にそのペースを落としていくように感じられます。
◆イエス様は、その最後の日々のために、エルサレムに子ロバに乗って入城し、弟子たちと共にエルサレムに留まり、敵対する人々により逮捕され裁判にかけられ、そして、重い十字架を担ぎながら、ゆっくりとした歩みで、ゴルゴダへ向かい、最後に十字架につけられ、もはや完全に身動きすることもできない状態で殺されます。レントは週ごとにだんだんと落ち込んでいくような徐々にスローダウンしていく印象を受けます。
◆レントは、日常生活の忙しさにかまけて、いつもはイエス様やその周辺に登場する人々の姿をゆっくり見つめることをしない私たちが、そのペースを落とす期節です。そして、十字架を担うイエス様が、のたり、のたりと、ゴルゴダに向かって歩みつづける姿にじっと目を注ぎ、十字架の周囲の人々の言動に目を注ぐ期節です。
◆それと同時に、私たちが、十字架のイエス様から、じっと見つめられていることに気づく期節でもあります。それがレントです。
◆それにしても何と現実のこの期節は忙しいことでしょうか。
石田政美