今週の一面 「ボアズの決断」ルツ3:8-18 11/29

Shin1

◆ナオミの指示に従ったルツは、ボアズの足下で寝ていました。当時、男性の衣の裾を広げて女性を覆うことは、その相手と結婚する表明だったそうです。この時は、ルツからボアズに結婚を申し込んだ形になりました。ルツの気持ちを知ったボアズは、その思いを受け止め、最善を尽くそうと決意しました。ですから、まずルツに対して主の祝福を求める祈りをしたのです。

◆ボアズは、ルツに提案をしました。確かに、ボアズは責任のある親戚ですが、彼よりももっと近い親戚がいます。その人が、ルツに親戚の役目を果たすのかを確認し、役目を果たさないのであれば、ボアズが責任を果たすというものでした。

◆ここまでのボアズの姿から、彼が感情で行動する人ではなく、主の定められた掟に従順な人であることを見てきました。ボアズとルツは年が離れていたと考えられていますが、そういった中であっても浮き足立たず、ただただ主に信頼し従っている姿を見ることができます。ルツが、朝早く人知れないように帰っていく時、手ぶらで返すわけにはいかないと、大麦六杯を持って帰らせました。ここにも、彼の思いやりをみることができます。ナオミの嘆き(1:21)を逆転させる主の恵みを示すものでもあったでしょう。ナオミは、これを見て、主の恵みによる贖いの時を待ち望むように導かれます。

◆ナオミの「成り行きがはっきりすまでじっとしていなさい」という言葉は、「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いをみなさい。」(出エジプト14:13)と語ったモーセの信仰を想起させるものです。

◆ルツ記では、主の語りかけの言葉はありません。しかし、一人一人の行動や言葉には、主の約束を信じる姿を見ることができます。アドベントを迎えるこの時、私たちも主の約束を信じ、待ち望んでいきたいのです。

坂西恵悟

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